美学と現代美術の距離―アメリカにおけるその乖離と接近をめぐって本ダウンロード
美学と現代美術の距離―アメリカにおけるその乖離と接近をめぐって
によって 金 悠美
3.8 5つ星のうち(1人の読者)
美学と現代美術の距離―アメリカにおけるその乖離と接近をめぐって本ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより)すでに久しい最先端美術活動と美学との乖離―現代美術は果たして「反美学」か?それとも従来の哲学的美学を超える革新なのか?米日美学誌の資料調査、またニューマン、グリーンバーグ、シェスターマンら、代表的作家、批評家、美学者の言説を通じ乖離の実態と本質を追究すると共に、新たな視座から現代美術の哲学的特質を追究するダントーの裡に乖離超克の営為を探る力作。内容(「MARC」データベースより)すでに久しい最先端美術活動と美学との乖離。現代美術は果たして「反美学」か? それとも従来の哲学的美学を超える革新なのか? さまざまな言説を通じて乖離の実態と本質を追究すると共に、ダントーに乖離超克の営為を探る。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)金/悠美 1964年大阪市生まれ。1987年神戸女子薬科大学薬学部卒業。1994年大阪大学文学部美学科卒業。2002年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は芸術学。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
美学と現代美術の距離―アメリカにおけるその乖離と接近をめぐっての詳細
本のタイトル : 美学と現代美術の距離―アメリカにおけるその乖離と接近をめぐって
作者 : 金 悠美
ISBN-10 : 4887135424
発売日 : 2004/03
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 25.67 (現在のサーバー速度は26.72 Mbpsです
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大阪在住の気鋭の美学/美術研究者による待望の論集。本書のサブタイトルが示すように、第二次世界大戦以後、世界のアート・シーンを牽引したアメリカ合州国における美学の動向の検証と分析が本書の中心的な課題となっている。第1章では1950年代の分析美学の擡頭から、アーサー・ダントーの「アートワールド」論を経てジョージ・ディッキーの制度論へと展開する現在の美学の中心的な問題構制と方法論を概括し、本書全体の議論のパースペクティヴを提出している。第2章ではアメリカ美学会の中で分析美学が主流となっていく歴史的変遷を「制度」という側面から問い直し、続く第3章ではアメリカ美学会と日本の美学会との交流を時代を追って検証することで、分析美学へと傾倒したアメリカ美学会の変容を明らかにする。第4章では「画家にとっての美学とは、鳥にとっての鳥類学にすぎない」というバーネット・ニューマンの批判を端緒とする美学研究者と芸術家との乖離を検証し、第5章では美学の言説に多大な影響を与えたジョン・デューイのプラグマティズム美学への検討を加え、最終章で美学研究者であると同時に有力な美術批評家でもあるダントーを論じ、彼の言説の変遷とその可能性の中心を、美術批評という同時代美術との相互干渉的な言説実践の関わりの中で読み解いている。美学言説と同時代美術との接点を見出し、そのダイナミズムを剔出する4、5、6章は、議論の運びもスリリングであり、本書の白眉と言えるだろう。また、第1章の記述も簡潔にして要を得たもので、こうした主題に不案内な読者にも十分な見取り図を与えてくれる。学術書という性格上、最低限の専門用語や基本的な歴史的事実についての知識は必要だが、記述が丁寧で全体として読みやすく、専門的な美学研究者から、これから美学や同時代美術について学ぼうとする入門者にまで広く薦められる一冊と言えるだろう。
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