たぶん彼女は豆を挽く

たぶん彼女は豆を挽くの詳細

コーヒー色の装丁が目を惹く。質素な紙質も、文字と写真のレイアウトも心地良い。本の中身とよくマッチしている。著者は会社をやめて徳島にコーヒー豆焙煎のお店を開いた方。コーヒーの楽しみ方の基本、そのいちばん大事なところをそっと教えてくれる。ハンドドリップが初めての人にも分かりやすい解説の基本にあるのは「そんなに肩肘はらなくていいんだよ」というメッセージ。細かい技術についハマり込んでしまい目が三角になっている人には、明るくやさしい光が戻ってくるはず。またコーヒー店の開業を通した人と人とのつながりも語られる。それは、儲けを追求する資本主義の時代を超えた、新しく懐かしい成熟した社会を感じさせてくれるものだ。本を読んだら実際に著者のお店からコーヒー豆を買って、飲んでみるのがおすすめです。きっと幸せな気分になれます。